同一価値労働同一賃金の原則(定年編)—定年後のお給料水準はどう決めるべきか—
「定年後のお給料水準は、だいたいどのくらいに設定したらよいでしょうか」というご相談をよくいただきます。
一般的には、定年前の給与の6割から8割程度の水準で設定されるケースが多く見られます。
しかし、ここでも「同一価値労働同一賃金の原則」を忘れてはいけません。
定年前と全く同じ仕事を継続して担っていただくのであれば、「定年を迎えた」という理由だけでお給料を引き下げることは、望ましくありません。
逆に、非正規社員としての業務内容に変わる場合には、その非正規社員の給与水準に合わせてお給料を設定する必要があります。
単に「以前は正社員だった」「定年後に非正規社員になった」という理由だけで、他の非正規社員よりも高い給与を設定してしまうことも、同一価値労働同一賃金の原則の観点からは望ましくありません。
そのため、まず大切なのは、定年後にどのような仕事を担っていただくのかを明確に決めたうえで、その仕事の内容に見合ったお給料を設定するということです。
「定年前の給与の6割から8割程度」という水準の考え方自体も一つの目安として大切ではありますが、それ以上に重要なのは、まずどのような仕事を任せるのかを決め、その仕事の内容に応じた給与水準に合わせていくという順序です。
そうしなければ、「以前は正社員だった」「定年後である」というだけの理由で、他の非正規社員と給与や福利厚生制度の適用が異なってくることになりかねません。
それだけの理由で労働条件の水準が高ければ、水準の低い方の労働条件を高い方に合わせていくという対応が必要になる場合もあります。
ぜひ、こうした点に気をつけながら、定年後の労働条件の設定をご検討いただければと思います。
文責 特定社会保険労務士 山本法史

