スメルハラスメントの注意点
ハラスメントという概念は、マスコミなどの影響もあり、近年〇〇ハラスメントという造語が数多く生み出されています。
人権意識という観点からは大切なことである一方、行き過ぎてしまうと、かえって大きな問題を招いてしまうこともあります。
今回は「スメルハラスメント」について取り上げたいと思います。
スメルハラスメントとは、いわゆる匂いに関するハラスメントのことを指します。
たとえば、香水など人工的な香りをつけたことで、周囲の方が不快に感じ、戸惑ってしまうといったケースについては、「香水を控えていただけますか」とお伝えすることは問題ないと考えます。
私自身もトイレの消臭スプレーの香りにアレルギー反応して、くしゃみが止まらなくなることがあります。
これはおそらく消臭剤によるアレルギー反応だと思われます。
ペットや化学物質などのアレルギーをお持ちの方がいらっしゃるので、その点の配慮は必要です。
一方で、その方がもともと持っている体臭には、病気に起因するものなど、さまざまな事情があり得ます。
こうした、本人にはどうすることもできない匂いについてまで「スメルハラスメントだ」と指摘してしまうと、今度は指摘した側が、パワーハラスメントやモラルハラスメントとみなされかねません。
このように、スメルハラスメントは非常にデリケートな問題です。
匂いに関して不快感を伝える権利があることは事実ですが、本人にはどうにもならない事情がある場合も少なくありません。
そうした点にばかり焦点を当ててしまうと、かえって職場の人間関係を損なう結果にもなりかねません。
ぜひ、こうした事情に配慮しながら、より良い職場づくりという観点で考えていただければと思います。
文責 特定社会保険労務士 山本法史

