社会保険労務士がなぜ保護司をしているのか
「社会保険労務士なのに、なぜ保護司をされているのですか」というご質問をいただくことがあります。
今回は、その理由についてお話ししたいと思います。
一言で申し上げますと、「人と向き合う」ということが、社会保険労務士としても、保護司としても、とても大切なことだと考えているからです。
保護司として活動させていただく中で、人としっかり向き合うという経験を積ませていただいており、それが社会保険労務士としての仕事にも生きていると感じています。
罪を犯した方は、警察に逮捕され、検察官による取調べを受け、人によっては刑務所の中で厳しい規律のもとで過ごすことになります。
そうした環境の中では、「罪を犯した本人が悪いのだから仕方がない」という空気の中で、自分自身の気持ちを吐き出す機会をなかなか持てないまま過ごしてこられた方も少なくありません。
もちろん、悪いことをした結果ですので、それ自体は当然のことではあります。
しかし、そのままの状態では、再犯につながってしまうおそれがあります。
そこで私は、罪を犯してしまった方の弱い気持ちをしっかりと受け止めることを大切にしています。
最初はなかなか心を開いてくれませんが、半年、一年と向き合い続けていくうちに、少しずつ心を開いてくれるようになります。
最初は表情も硬く、笑顔も見られなかった方が、次第に笑顔で話してくれるようになったり、表情そのものが穏やかで優しいものへと変わっていったりします。
こうした変化こそが、私にとってのやりがいです。
そして、保護観察処分が解除になる際に、本人の笑顔とともに「これから頑張ってね」と心から応援できる瞬間は、何にも代えがたい幸せな時間だと感じています。
保護司は「罪を犯した人を支援する」活動だと言われることがありますし、それは事実です。
しかし、その方が再犯をしてしまえば、新たな被害者が生まれてしまいます。
ですから保護司としての活動は、まだ被害者になっていない、将来の被害者を守るための「犯罪被害者支援」でもあると私は考えています。
そうした気持ちを持って、日々取り組んでおります。
人と向き合うことに喜びを感じられる方には、保護司という活動は本当におすすめできるものです。
ぜひ、チャレンジしてみていただければと思います。
文責 特定社会保険労務士 山本法史

