KNOWLEDGE OF PERSONNEL AND LABOR

人事・労務の知識

賃金と外注費を同じ人に支払っている場合は「違法」とされる可能性があります

令和8年7月17日の日本経済新聞に、保険代理店における社会保険料をめぐる問題が報じられておりましたので、今回はその内容をもとにお伝えしたいと思います。

記事によりますと、保険の営業をされている方の賃金について、固定給部分は通常どおり賃金として支払う一方で、歩合給にあたる部分については「外注費」という名目で、賃金とは異なる形で支払っていたとのことです。
社会保険料は賃金に対して課されるものであるため、外注費として支払われた部分には社会保険料がかかりません。
しかし、実態としてはこの外注費も賃金にあたるのではないか、いわば社会保険料逃れにあたるのではないか、という指摘がなされていました。

よくよく考えてみますと、これは当然のことといえます。
同じ仕事をしているにもかかわらず、「この部分は雇用契約」「この部分は外注で委託契約」というように区分すること自体、実務上非常に難しいものです。
「社会保険料を安く抑えるため」が目的になり、結果として「外注費は賃金である」という判断がなされ、「社会保険料を不当に安くする為に制度を悪用した企業」という信用の毀損に繋がったというのが、今回の記事の主旨でした。
当然といえば当然のことではありますが、あらためて考えさせられる内容でした。
こうしたことは、いずれ必ず表に出るものです。
目先の費用の節約という点では魅力的に映るかもしれませんが、長期的に見れば、会社の信用を著しく損なう結果にもつながりかねません。
「不正なことはできない」ということを前提に、給与や社会保険料の取り扱いについては、あらためて慎重にご検討いただければと思います。

文責 特定社会保険労務士 山本法史

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