KNOWLEDGE OF PERSONNEL AND LABOR

人事・労務の知識

1年単位の変形労働時間制が向いている会社とはどのような会社なのか

1.はじめに
「1年単位の変形労働時間制はどのような会社に向いているのか」というご質問をいただきました。
この制度の特性を正しく理解したうえで、自社への適合性を判断することが重要です。

2.変形労働時間制の基本的な注意点
変形労働時間制は、一度変形期間に入るとシフトを変更することが原則としてできません。
天候の影響やその他の事情によってシフトを頻繁に変更せざるを得ない業種・業態では、運用に注意が必要です。
特に1年単位の変形労働時間制は対象期間が長いため、柔軟な対応が求められる職場では難易度が高くなります。

3.向いている会社の特徴
1年単位の変形労働時間制が適しているのは、年間を通じて繁閑の差が明確で、かつカレンダーが固定されている組織です。
例えば幼稚園や学校のように、8月の夏季休暇中は出勤者がほとんどおらず、その分を他の月に振り替えるという運用が成立する職場が典型的な例として挙げられます。

4.向いていない会社の特徴
一方、年間を通じて常に残業が発生している会社には、この制度はあまり適していません。
変形労働時間制のメリットは、繁忙期と閑散期を組み合わせることで週40時間の法定労働時間の枠内に収めることにあります。
閑散期に相当する時期がなく、常に残業が生じている状態では、制度を導入しても実質的な効果が得られません。

年間カレンダーが安定しており、繁閑の波が明確な組織に適した制度です。自社の労働実態と照らし合わせたうえで、導入の可否をご検討いただければと思います。

文責 特定社会保険労務士 山本法史

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