遅延証明があれば必ず遅刻扱いにしなくてよいのですか―会社の取り決め次第です―
1.はじめに
「遅延証明書があれば、必ず遅刻扱いにしない対応が求められるのか」というご質問をいただきました。
結論から申し上げると、これは会社の取り決めによるものであり、遅延証明書があっても遅刻として扱うルールを設けることは問題ありません。
2.労働契約の基本的な考え方
労働契約とは、始業時刻から終業時刻までしっかり働くことを約束し、それに対して会社が賃金を支払うという契約です。
したがって、始業時刻までに出勤することは労働契約上の基本的な義務であり、遅れて出勤することは原則として遅刻に該当します。
3.遅延証明書が有効なケースと有効でないケース
人身事故などにより電車が1時間以上止まってしまったような場合は、物理的に出勤が不可能な状況といえます。
こうしたケースにおいて、遅延証明書を提出することで遅刻扱いとしない取り扱いは合理的です。
一方、バスや電車が日常的に生じる20分程度遅れることは、ある程度想定して出勤することが求められます。
こうした日常的な遅延については、遅延証明書があっても遅刻として扱うというルールを設けることは、会社として適切な対応といえます。
4.ルール設定の目安
例えば、「電車が長時間運転見合わせとなった場合に限り、遅延証明書の提出をもって遅刻扱いとしない」といったルールを就業規則に明記しておくことをお勧めします。
遅延証明書の提出をすれば、当然遅刻にはならないという考え方は見直す必要があります。
従業員の皆さんにも、始業時刻を守ることの重要性を改めて意識していただければと思います。
文責 特定社会保険労務士 山本法史

