KNOWLEDGE OF PERSONNEL AND LABOR

人事・労務の知識

「国保逃れ」ができなくなります―厚生労働省の通達で適正化が進みます―

1.はじめに
国会でも話題となりましたが、国民健康保険料の負担を避けるために、実態のない非常勤の法人役員となって社会保険に加入するという手法が問題視されてきました。
このたび厚生労働省の通達により、こうした行為を是正していく方針が明確に示されました。

2.なぜこのような問題が起きるのか
国民健康保険料は住民税をベースに算定されるため、給与以外に不動産収入などがある方は保険料が高くなる傾向があります。
一方、健康保険の保険料は法人から支給される給与のみを基準に計算されます。
そのため、給与を低く設定することで保険料を抑えられるという仕組みを不正に利用するケースが生じていました。

3.「常勤か否か」が判定の核心です
法人役員の社会保険加入においては、常勤か非常勤かという点が極めて重要です。
常勤と判断される場合は社会保険への加入が義務となり、非常勤であれば加入することができません。
今回の通達では「加入できない」ケースへの対応が主に注目されていますが、逆のケースも見落とせません。

例えば、自身の会社と別の法人の双方で常勤役員として勤務している場合、両法人の要件を満たすならば二以上事業所勤務届を提出し、両法人の報酬を合算して保険料を算出する手続きが必要となります。

この手続きを怠ると、保険料を遡って徴収されるという事態にもなりかねません。
役員の勤務実態と社会保険の加入状況については、今一度確認していただくことをお勧めします。

文責 特定社会保険労務士 山本法史

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