「できません」の一言がハラスメントになる?
職場において、上司や先輩から業務を依頼された際に、「私はそれができません」「それは私の仕事ではありません」と即座に断るケースについて、相談を受けることが少なくありません。
日本の雇用形態は、職務の範囲をあらかじめ明確に定めるジョブ型雇用とは異なり、業務内容が包括的に定められているのが一般的です。
そのため、理不尽な業務命令などの正当な例外を除いては、指示された業務を「できません」と拒否することは、業務命令違反に該当する可能性があります。
さらに注意が必要なのは、上司に対して嫌がらせを目的とするような対応をとった場合、ハラスメントとして認定されるリスクもあるという点です。
もちろん、能力的に対応が困難な場合もあるでしょう。
そのような際は、頭ごなしに拒否するのではなく、その旨を率直に伝えたうえで上司や関係者と相談することが求められます。
依頼された業務は、原則として受けなければならないというのが、労働者としての基本的な姿勢です。
「できません」「私の仕事ではありません」という言葉は、状況によっては業務命令違反、あるいはハラスメントと見なされる可能性があることを、ぜひ念頭に置いておいてください。
文責 特定社会保険労務士 山本法史

