KNOWLEDGE OF PERSONNEL AND LABOR

人事・労務の知識

ハラスメント事情聴取で絶対にやってはいけないこと―「先入観」が調査を台無しにする―

1.はじめに
ハラスメントの相談を受けた際、担当者が最初に犯しがちなミスがあります。
それは、聴取を始める前から先入観により「評価」を行ってしまう事です。

2.事実は、聞いてみなければわからない
通報や相談の段階では、「被害を受けた」と訴える人と「その人が加害者だ」という情報が同時に入ってくることがほとんどです。
しかし実際に事情を聴取してみると、ハラスメントの事実が確認できなかったケースや、双方に問題があるいわゆる「喧嘩」に近い状態だったケースも少なくありません。
被害を訴える方の気持ちに寄り添うことは、事情聴取における絶対的な前提です。しかし、寄り添うことと、決めつけることは別物です。

3. 「先入観を持たない」ことが、公正な判断の出発点
事情聴取を担当する人に求められる最も重要な姿勢は、先入観を排した冷静な視点です。
事情聴取の目的は、感情的な評価ではなく、客観的な事実の確認にあります。
しっかりと事実確認を行った上で、はじめて適切な判断を下すことができます。
この順序を守ることが、ハラスメント対応の質を大きく左右します。

4.まとめ
①聴取の前から「被害者・加害者」を決定しない
②被害を訴える方への配慮と、先入観を持たないことは両立できる
③感情や雰囲気で評価をせずに事実確認を徹底した上で、判断を行う
④担当者は常に冷静かつ中立的な姿勢で臨む

ハラスメント対応において、公正なプロセスを守ることは、関係者全員を守ることにつながります。

文責 特定社会保険労務士 山本法史

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