労働者の賃金を上げるために必要なこと―ビジネスモデルの転換という視点―
1.賃金を上げるには「単価」を上げるしかない
労働者の賃金を上げるためには、まずお客様からいただく単価を上げることが不可欠です。
単価が上がらなければ、賃金を上げる原資が生まれないからです。
2.倒産企業の動向が示す教訓
帝国データバンクの調査によると、倒産する企業の動向を分析することで、この問題の本質が見えてきます。
異次元の金融緩和が終わり、金利のある時代へと戻りつつある現在、従来のビジネスモデルから脱皮できず、新しいビジネスモデルへの転換でつまずいた企業が倒産しています。
また、価格交渉がうまく進まないことや人材不足も、倒産の主要な原因となっています。
3.賃金アップへの道筋
賃金を上げるための道筋は、次のように整理できます。
①新しいビジネスモデルへの転換によって提供価値を高める
②お客様への単価引き上げにご納得いただける根拠をつくる
③賃金を上げることで、優秀な人材を採用・確保する
4.ビジネスモデルの転換とは何か
「新しいビジネスモデル」と聞くと、まったく新しい事業を始めることをイメージされるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
例えば社会保険労務士の場合、「社会保険の手続きや給与計算を行う」というビジネスモデルから、「手続きや給与計算を通じて、会社のデジタル化をサポートする」という切り口に変えるだけでも、立派なビジネスモデルの転換といえます。
重要なのは、お客様が「価値がある」と感じる内容は時代とともに変化するという事実をしっかりと受け止め、その変化に対応した形でビジネスを見直すことです。
5.おわりに
経営環境は確かに厳しくなっています。
しかしその変化を乗り越えることで、働く人も経営者も笑顔でいられる企業を実現できると考えています。
お客様の価値観の変化を敏感に捉え、自社のビジネスモデルを柔軟に仕切り直していく姿勢が、これからの時代には求められています。
文責 特定社会保険労務士 山本法史

