KNOWLEDGE OF PERSONNEL AND LABOR

人事・労務の知識

職場における「距離感」がセクシャルハラスメントを防ぐ

職場でのセクシャルハラスメントは、以前と比べて確実に減少してきています。
ハラスメントと言われないよう互いに意識し、気をつけながら働くという文化が、少しずつ根付いてきた結果といえるでしょう。
しかし、それでもなお問題になりやすいのが、人と人との「距離感」です。

職場で出会うAさんとBさんは、本来は他人同士です。
プライベートで親しい間柄というわけではありませんから、一定の距離を保つのが自然な関係性といえます。
ところが、その距離の詰め方を誤ってしまうと、態度が必要以上に馴れ馴れしくなったり、相手が望まない呼び方をしてしまったりすることがあります。
こうした些細な言動が積み重なって、「ハラスメントだ」と感じさせてしまうケースが増えているのです。
セクシャルハラスメントというと、「あれをしてはいけない」「これをしてはいけない」という禁止事項ばかりが注目されがちです。
もちろんそれも大切ですが、それは本質ではありません。
大切なのは、相手との心理的な距離感を丁寧に保ち続けることです。
「今、これをやるのは不自然な行為かも」という小さな気づきを、心のどこかに持ち続けること。
それだけで、ハラスメントと言われる事態は劇的に減っていきます。

ルールを覚えることよりも、相手の気持ちを想像し、適切な距離を意識し続けること。
その積み重ねが、職場の人間関係を円滑にし、誰もが働きやすい環境をつくっていきます。

文責 特定社会保険労務士 山本法史

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