KNOWLEDGE OF PERSONNEL AND LABOR

人事・労務の知識

ハラスメントを「重さ」で考える

今回はハラスメントの「重さ」について整理してみたいと思います。

ハラスメントと一口に言っても、その内容や程度によって法的な責任の重さは大きく異なります。
まず最も重いケースは、刑事事件として刑事責任を問われる場合です。

例えば、パワーハラスメントであっても相手を殴れば傷害罪に該当する可能性があります。
また、セクシュアルハラスメントで身体に触れる行為は、不同意わいせつ罪などの犯罪に該当する可能性があります。
このような場合は、明確に刑事責任を負うべき重大な問題となります。

次に重いのが、民事上の責任が問われるケースです。
損害賠償責任や慰謝料の支払いが発生するような場合がこれに当たります。刑事事件にはならなくても、被害者から民事上の請求をされる可能性は十分にあります。

その次の段階として、社内処分の対象となるハラスメントがあります。
懲戒処分として懲戒解雇、降格、減給などの対象となるケースです。
企業としては就業規則に基づき、適切な対応を取る必要があります。

さらにその外側には、処分にまでは至らないものの、ハラスメントと誤解されてもやむを得ないような言動があります。
本人に悪意がなくても、受け手の受け止め方によっては問題となる場合です。

そして最も外側には、ハラスメントと認定されるかどうか微妙なグレーゾーンがあります。
違法とはいえないものの、トラブルを防ぐためには注意が必要な言動です。

このように、ハラスメントには段階的な「重さ」があります。
この重さを意識せずに「ハラスメントはだめです」とだけ伝えても、従業員には十分に伝わらないことがあります。

どの段階に該当するのか、どのような責任が発生し得るのかという視点で整理して伝えることが、実務上は非常に重要です。

ハラスメントを考える際には、ぜひこの「重さ」という観点から整理してみてはいかがでしょうか。

文責 特定社会保険労務士 山本法史

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