助成金を狙う不適切な社労士への注意喚起
令和7年9月24日付の読売新聞において、助成金の不正請求に関する記事が掲載されました。
内容は、要件を十分に満たしていない、あるいは要件を捏造するなどして助成金を請求している社会保険労務士が存在するというものです。
誠に遺憾であり、決して許される行為ではありません。
助成金は、一定の要件を満たしたうえで適正に申請しなければ受給できない制度です。
しかしながら、「簡単にもらえる」「申請すればすぐに受給できる」といった誤ったイメージが一部に広がっていることも、不正の背景にあると考えられます。
実際には、助成金は単に一時的に要件を満たせばよいものではなく、継続的に要件を充足し続けることが求められるものも少なくありません。
制度の趣旨を正しく理解し、自社が本当にその要件を満たしているかどうかを十分に検討したうえで、申請を行う必要があります。
例えば、「外国人を採用すれば助成金が受け取れる」といった営業を行う方もいらっしゃいます。
助成金を受給する場合には、母国語での就業規則の翻訳など整備が求められることがあります。
翻訳費用は高額になることもあり、助成金の受給額だけでは費用を賄えず、結果として思っていた金額が残らないという可能性もあります。
一方で、外国人労働者に対して誤解やトラブルのない職場環境を整備するという明確な目的があり、そのために制度を活用するのであれば、例えば約80万円の助成金を一部費用に充てることは有意義であるといえます。
助成金は「もらうこと」を目的とするものではなく、制度の趣旨に沿った取り組みを行った結果として支給されるものです。
この視点を欠いたまま申請を行えば、不正請求と判断されるリスクがあります。
助成金の活用にあたっては、制度の内容を十分に理解し、自社の実態に即して慎重に判断されることを強くお勧めいたします。
文責 特定社会保険労務士 山本法史

