KNOWLEDGE OF PERSONNEL AND LABOR

人事・労務の知識

最低賃金額の上昇を踏まえた「賞与から月給」への賃金配分見直しについて

最低賃金額が大幅に上昇している現状を受け、賞与として支給していた賃金の一部を、月額賃金へ振り替える取り組みを行う企業が増えています。

賞与は、業績や景気の状況に応じて支給額を調整することが可能ですが、月額賃金については、原則として一方的に減額することができません。
そのため、賞与から月給への配分変更は、労働者にとって不利益変更となりにくく、基本的には労働者に有利な見直しといえます。

また、年収ベースで見た場合に総支給額が変わらなければ、年間の収入が減少することもありません。
そのため、従業員にとっても安心感のある制度設計となります。

最低賃金額を確実にクリアするためには、月額賃金そのものを引き上げていく必要があります。
このような背景から、賞与の比率を抑え、月給の割合を高める流れが、今後さらに広がっていくものと考えられます。

月々の給与が増えることで、従業員にとっては自由に使えるお金が増え、生活の安定につながる点も評価されやすい傾向にあります。

このような理由から、賞与と月額給与の比率について、ぜひ一度見直しをご検討いただきたいと考えます。
基本給を軸として各手当や賞与が連動する仕組みを採用すれば、制度全体が分かりやすくなり、従業員からの理解も得やすくなります。

これまでさまざまな制度設計についてアドバイスを行ってきましたが、この方法は特にクレームが少なく、実務上も運用しやすい手法でした。
そのため、今回は一つの有効な選択肢としてご紹介させていただきました。

文責 特定社会保険労務士 山本法史

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