初任給が高い企業の注意点
新卒の初任給が30万円を超える企業が増えていると報道されています。
初任給が高いことはいいことですが、そこだけを注目して就職するのは注意が必要です。
報道をみると「初任給は35万円」「ボーナスは今までより1か月分減額」「社員の平均昇給額は2万円」という内容の企業があります。
月給は高くするけど賞与や退職金を減らします。
この様にして月給額を確保しています。
賞与は一か月減額で平均昇給額2万円となると24万円月給は増えるけど、賞与は一か月分減ってしまう。
年収が減る世代があるはずです。
20代で一生懸命働いてスキルを磨き転職するのだという方は別ですが、その企業に長く勤めようと考えた場合には生涯年収の概念が必要です。
20代、30代の月給は高いけど昇給は少なく、40代以降は出世コースから外れた人は年収額が低いということも考えられます。
初任給だけではなく賞与や40代以降の待遇をしっかりと見ていく必要があります。
大手企業と違い、中小企業では40代以降の社員が戦力となっているので、40代以降の賃金を下げることは難しく、20代、30代の賃上げに苦労します。
20代、30代に厚遇する大企業、40代以降でも厚遇する中小企業というイメージがあります。
求職者もこの点をしっかりと見極めて欲しいですし、企業側もこの点を理解して賃上げの設計をしていただきたいと思います。
文責 特定社会保険労務士 山本法史