KNOWLEDGE OF PERSONNEL AND LABOR

人事・労務の知識

固定残業手当と固定深夜手当は、一緒に支給してよいのか

「固定残業手当と固定深夜手当を、一緒にまとめて支給してもよいですか」というご質問をいただくことがあります。
今回はこの点について解説いたします。

まず、固定残業手当とは、実際に残業をしてもしなくても、「残業手当〇時間分」として支給するものを指します。
同様に、固定深夜手当とは、実際に深夜労働をしてもしなくても、深夜手当をあらかじめ支給する手当のことです。

ここで注意が必要なのは、残業手当は1.25倍、深夜手当は0.25倍と、割増率がそれぞれ異なるという点です。
この二つを分けずに、たとえば「合わせて5万円」というように一つにまとめて支給してしまうと、それが何時間分の手当に相当するのかを計算することができなくなってしまいます。
そのため、固定残業手当は固定残業手当として、固定深夜手当は固定深夜手当として、それぞれ別々にしっかりと分けて支給し、「何時間分に相当するか」を明記しておくことが望ましいと考えます。

このように分けて明記しておくことで、万一トラブルが発生した際にも、会社側として「何時間分であるかをきちんと明示し、区分して支給している」ということを主張できます。
これは非常に有効な備えとなります。
一方、分けずに支給している場合には、内容が分かりにくいという理由から、有効な固定残業代や固定深夜手当として認められないケースもあります。
会社のリスク管理という観点からも、また働く方にとっての分かりやすさという観点からも、固定残業手当と固定深夜手当は明確に分けて、それぞれ何時間分に相当するかを明記しておくことが望ましいといえます。
ぜひ、自社の賃金制度を今一度ご確認いただき、取り組んでみてください。

文責 特定社会保険労務士 山本法史

一覧