健康保険料が下がるのに負担が増える理由―令和8年度の社会保険料改定を整理する―
令和8年3月分の保険料より、健康保険料が全国平均で0.1%程度引き下げられます。
一見すると従業員の負担が軽減されるように思えますが、実際には負担が増加する可能性があります。
その理由を以下に整理します。
①健康保険料・雇用保険料は下がるが
健康保険料は前述のとおり引き下げとなります。
また、雇用保険料についても同時期に引き下げられます。
②介護保険料と子ども・子育て支援金が新たな負担増に
一方で、同じ時期に介護保険料が1.62%引き上げられます。
さらに、令和7年4月分からは新たに「子ども・子育て支援金」が創設され、0.23%の負担が加わります。
これらを総合すると、健康保険料・雇用保険料の引き下げ分を、介護保険料の引き上げと子ども・子育て支援金の新設が上回る形となり、全体としての負担は増加します。
③給与計算担当者の方へ―4月・5月は特に注意を―
保険料は当月分を翌月に控除する仕組みのため、3月分の保険料は4月の給与から、4月分の保険料は5月の給与からそれぞれ控除されます。
今回の改定は複数の料率が同時に変更されるため、4月・5月の給与計算は例年以上に確認事項が多くなります。
ミスが生じやすい時期でもありますので、給与計算担当の方は余裕を持って準備を進めていただくことをお勧めします。
制度の変更は分かりにくい部分もありますが、正確な理解と丁寧な対応が求められます。
ぜひ本記事を参考に、円滑な給与計算の準備にお役立てください。
文責 特定社会保険労務士 山本法史

