KNOWLEDGE OF PERSONNEL AND LABOR

人事・労務の知識

退職届はハラスメントへの無言のメッセージかもしれない

職場でハラスメントの事情聴取を行っていると、二つのタイプの方がいらっしゃることに気づきます。

一つは「私はハラスメントを受けていますと会社にきちんと申告してくださる方

もう一つは、そういった手続きを煩わしく感じ、何も言わないまま退職届を出してしまう方です

実は、表に出てくるハラスメントの事案というのは、全体のほんの一部に過ぎません。
多くのケースでは、被害を受けた方が声を上げることなく、退職という形で職場を去っていきます。
つまり、問題は水面下に沈んだまま、会社には見えない状態で終わってしまうのです。
こうした状況を踏まえると、ハラスメントを早期に察知するためのポイントが見えてきます。

それは「離職率」です。

特定の部署、特定の上司、特定の先輩のもとで働いている人の離職率が高くなっているとしたら、それはハラスメントが存在するサインである可能性があります。
正式な申告がなかったとしても、その事実を軽視してはなりません。
そのような状況が確認された場合には、積極的に事実確認を行い、関係者から話を聞いて対策をたてる取り組みが非常に重要です。
申告を待つだけでなく、データや兆候から能動的にアプローチすることが、健全な職場環境を守るための第一歩となります。
退職届の裏に隠れた声に、ぜひ耳を傾けてみてください。​​​​​​​​​​​​​​​​

文責 特定社会保険労務士 山本法史

一覧