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人事・労務の知識

雇用保険の「週20時間の壁」とは?その理由をわかりやすく解説

1.はじめに
雇用保険には、「週20時間以上働いている人が加入対象となる」という基準があります。
今回は、この「週20時間の壁」が設けられている理由についてご説明します。

2.失業は「短期」と「長期」に分けて考える
雇用保険の考え方を理解するうえで、まず「失業の種類」を押さえておく必要があります。
国は失業を大きく以下の2つに分類しています。

∙ 短期の失業(おおむね1年以下)
∙ 長期の失業(1年以上)

このうち、短期の失業に対するセーフティネットとして設けられた制度が「雇用保険」です。
一方、長期にわたる失業については、雇用保険とは別の政策で対応するという考え方になっています。

3.なぜ「週20時間」が基準なのか
雇用保険の加入対象が「週20時間以上」とされているのには、明確な理由があります。
1日6時間・週2日勤務(週12時間)や、1日1時間・週6日勤務(週6時間)のように、週20時間未満の働き方は、仮に失業しても生活に大きな支障をきたさない水準であると国が判断しています。
一方、週20時間以上働いている場合は、その収入が失われることで生活に支障が生じる可能性が高いと見なされます。
こうした判断のもと、「生活への影響が大きい人を保護する」という目的で週20時間という基準が設けられました。

4.まとめ
雇用保険の「週20時間の壁」は、単なる制度上の線引きではなく、「政府が支援すべきセーフティネットとしての失業が生活に影響を与えるか」という観点から設計されたものです。
制度の背景にある考え方を理解することで、自分自身の働き方や加入要件について、より正確に把握できるようになります。​​​​​​​​​​​​​​​​

文責 特定社会保険労務士 山本法史

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