副業を始める前に知っておくべき「労働時間の通算」とは
1.はじめに
近年、副業に取り組む方が増えています。
社会全体でも副業を推奨する傾向がありますが、実際には見落とされがちな重要なルールが存在します。
今回は、副業をする際に必ず押さえておきたい「労働時間の通算」についてお伝えします。
労働時間は2つの職場を合算して計算されます
副業をする場合、現在お勤めの会社での労働時間と、副業先での労働時間は通算(合算)されます。
これは労働基準法に基づくルールです。
例えば、残業時間の上限は原則として月45時間と定められていますが、この上限は本業・副業の両方を合わせた時間に適用されます。
具体的な例を挙げると、週1回・1日8時間の副業を月5回行った場合、それだけで40時間に達します。
その結果、本業では同じ月に5時間しか残業ができないという制約が生じます。
2.残業代の支払い義務にも注意が必要です
労働時間の通算は、残業手当にも影響します。
時間外労働に対する割増賃金(1.25倍など)については、後から労働契約を締結した会社が支払い義務を負うというルールがあります。
このように、副業に関する規定は細かく定められています。
3.会社が副業を認めにくい背景
こうした理由から、多くの会社が副業の許可に慎重な姿勢をとっています。
副業を認めることで、残業時間の管理や割増賃金の対応が複雑になるためです。
4.まとめ
「副業解禁」という言葉が広まる一方で、労働時間に関するルールは依然として厳格に定められています。
副業を始める際は、関連する制度をしっかりと理解した上で進めることが大切です。
事前の確認を怠ると、後々トラブルに発展するケースもありますので、十分にご注意ください。
文責 特定社会保険労務士 山本法史

