KNOWLEDGE OF PERSONNEL AND LABOR

人事・労務の知識

プロの社会保険労務士が教える、法律の調べ方と知識の広げ方

1.はじめに
社会保険労務士として実務に携わる中で、「どうやって法律を調べればいいか」という質問をよく受けます。
今回は、私が実践している調べ物の方法についてお伝えします。

2.まずは「一次情報」に当たる
知識を正確に身につけるためには、まず条文集を手元に置くことをお勧めします。条文集は法律の原典であり、すべての解釈の出発点となるものです。また、条文に付随する通達も条文集に掲載されていることが多いため、あわせて確認する習慣をつけておくと良いでしょう。
次に活用したいのが判例集です。条文の文言だけでは読み取れない実務上の解釈を、判例から学ぶことができます。

3.著者の「思想」を意識して本を読む
条文集・判例集以外にも、さまざまな専門家が執筆した書籍が数多く存在します。しかし、こうした書籍を活用する際には、著者がどのような立場・思想を持っているかを十分に理解した上で読むことが重要です。
たとえば、労働法の分野では大きく二つの立場が存在します。
∙ 経営者側の立場に立つ弁護士が集まる団体(例:経営法曹会議)
∙ 労働者・労働組合側の立場に立つ弁護士が集まる団体(例:日本労働弁護団)
私自身、経営法曹会議での勉強に参加させていただいていますが、一方で日本労働弁護団の弁護士の先生方や、その考え方に近い大学教授の書かれた書籍も積極的に読むようにしています。特定の立場の本だけを読み続けると、知識が偏ってしまう恐れがあるからです。

4.まとめ
法律の調べ物をする際は、以下の順序と意識を大切にしてください。
1. 条文集で原典に当たる
2. 判例集で実務上の解釈を確認する
3. 専門書・解説書を読む際は著者の立場・思想を把握する
4. 異なる立場の書籍もバランスよく読み、幅広い視点を養う
正確でバランスの取れた知識を身につけることが、実務において適切な判断を下すための基盤となります。ぜひ、調べ物の際の参考にしていただければ幸いです。​​​​​​​​​​​​​​​​

文責 特定社会保険労務士 山本法史

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