歴史に学ぶ外交戦略―日本が植民地にならなかった理由―
歴史から外交を学ぶことのできる一冊をご紹介いたします。
本書は、日本がなぜ植民地にならなかったのかという点について、豊臣秀吉や徳川家康の時代を中心に解説している書籍です。
結論から申し上げますと、秀吉をはじめとする当時の政権トップは、「日本から外国へ攻める」という強い姿勢を持っていました。
さらに、当時の日本は軍事力も強大であり、そのためスペインやポルトガルといった列強諸国が、日本を容易に支配しようとはできなかったのが実情です。
つまり、「日本と戦えば大きな代償を払うことになる」と思わせる抑止力が機能していたことが、大きな要因であったと理解できます。
また、家康が台頭していた時代においても、豊臣家は依然として大阪城に存在しており、西日本を完全に掌握できていたわけではありませんでした。
そのような状況下で、家康は外国との貿易を主導しようとしましたが、貿易の拠点を江戸に置きたい意向があった一方で、外国船は必ずしも江戸まで来航してくれるわけではありませんでした。
こうした事情は、大坂夏の陣へと至る経緯とも深く関わっています。
徳川政権が国内統一を確実なものとし、貿易や物流を掌握するためには、大坂に豊臣家が存在し続ける状況は望ましくなかったことが理解できます。
本書は、物流の重要性、そして外交とは単に頭を下げることではなく、強く出るべき場面では毅然とした態度を取る必要があるという点を、歴史を通して学ばせてくれます。
現代の政治や国際関係を考える上でも多くの示唆を与えてくれる内容です。ぜひ一読をお勧めいたします。
戦国日本と大航海時代 – 秀吉・家康・政宗の外交戦略 (中公新書 2481) 平川新著
信長 秀吉 家康はグローバリズムとどう戦ったのか 普及版 なぜ秀吉はバテレンを追放したのか 三浦小太郎著 ハート出版
文責 特定社会保険労務士 山本法史

