労働時間は1分単位で集計すべきか ― タイムカードと実際の労働時間との乖離に関する実務上の注意点 ―
労働時間は1分単位で集計しなければならないのか、という質問を多くいただきます。
結論から申し上げますと、労働時間は原則として1分単位で集計する必要があります。
ただし、タイムカードの打刻時間と労働時間が常に一致するわけではありません。
多くの方が、出社してタイムカードを打刻し、その後に業務を開始されています。
また、業務終了後に一息ついてからタイムカードを打刻するケースもあるでしょう。
このように、タイムカードの記録はあくまで拘束時間を示すものであり、必ずしも実際の労働時間とイコールではありません。
例えば、業務開始前に打刻してから実際に仕事を始めるまでの時間や、業務終了後から打刻するまでの時間は、原則として労働時間には該当しません。
しかしながら、万が一裁判等の紛争になった場合には、その時間帯に労働していなかったことを会社側が証明する必要があります。
もし会社側がその証明を十分に行えない場合、本来は労働時間ではない時間であっても、労働時間と判断される可能性があります。
そのため、明確な証拠や客観的な記録がない場合には、タイムカードの打刻時間を基準として労働時間を計算する方が安全といえます。
あわせて、実務上は「業務開始直前に打刻し、業務終了後は速やかに打刻する」という運用を徹底することが重要です。
この習慣を身につけることで、不要なトラブルを未然に防ぐことができます。
打刻のルールについて一度しっかりと見直してみる必要があると思います。
文責 特定社会保険労務士 山本法史

