KNOWLEDGE OF PERSONNEL AND LABOR

人事・労務の知識

その退職金制度は本当に大丈夫ですか

退職金は、景気が悪い時であっても支払わなければならないものです。

企業が金融機関に対して、いわゆる「リスケ(返済条件の変更)」を申し入れ、返済額の猶予を依頼する場面があります。
その際、金融機関とともに経営改善に向けた支援を行うこともありますが、その中で大きな課題となるのが退職金の水準です。

退職金の水準が高い場合、仮に整理解雇を行うことになったとしても、退職金の支払いに加えて、さらに上乗せの金銭的支出が必要になるケースがあります。
こうした状況は、資金繰りが厳しい企業にとって大きな負担となり、場合によっては経営に深刻な影響を及ぼしかねません。
退職金制度の設計次第では、企業にとって命取りになり得る問題でもあります。

そのため、退職金は「確実に支払える水準」に設計することが重要です。
たとえば、毎月1万円や5,000円といった一定額を外部制度に拠出する仕組みにしておけば、会社の業績が悪化した場合でも、拠出を継続することで将来の退職金支払いに備えることができます。

一方で、会社内部で積み立てを行い、その積立金から退職金を支払う方式の場合、積立額が不足していれば支払いができなくなるおそれがあります。
その結果、資金繰りがさらに悪化し、最悪の場合、倒産に至ってしまう企業も少なくありません。

退職金は「景気が悪いときでも支払わなければならない制度」です。
この性質を十分に踏まえたうえで、無理のない設計を行うことが重要です。

ぜひ一度、自社の退職金制度を見直してみてください。

文責 特定社会保険労務士 山本法史

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