公益通報制度の意義と企業における体制整備の重要性
公益通報とは、企業や組織内において、刑事事件に該当する行為、またはそれに相当する不正行為が行われている場合に、公益のためにこれを通報する制度です。
通報者には、現在働いている社員のほか、取引先の社員、さらには退職後1年以内の元社員なども含まれます。
この制度は、不正行為が重大化する前の早い段階で問題を把握し、是正につなげることを目的としています。
不正に関する事案は、一度大きく表面化してしまうと、企業に与える影響が非常に大きくなります。そのため、初期の小さな段階で適切に対応することが極めて重要です。
また、公益通報制度が社内に整備されていること自体が、不正行為に対する抑止力として機能します。
社員や関係者が「不正は見過ごされない」という意識を持つことで、不祥事の発生を未然に防ぐ効果が期待できます。
現在、不祥事の発覚によって企業イメージが大きく損なわれるケースは少なくありません。
こうした事態を防止するためにも、公益通報制度の在り方について社内で十分に検討し、実効性のある仕組みとして確立しておくことが重要であると考えます。
文責 特定社会保険労務士 山本法史

